日経平均に連れ安しない銘柄は強い

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日経平均が暴落しているさなか、相場に逆行するように、株価が上がっているような銘柄もある。

 

こういうのを逆行高銘柄と呼ぶ。

 

逆行高銘柄は、新興市場の株や、2部市場のマイナーな株などに多い。

 

というのもメジャーな銘柄は、日経225やTOPIXを扱った先物やインデックスファンドに組み込まれているから、先物やインデックスが売られてしまうと、どうしても連れ安になるからだ。

 

先物やインデックスファンドは、実際に株を売買しているわけではないので、現物株市場に影響が及ぶのも変な話だが、機関投資家は、ヘッジ(リスク回避)のために、先物やインデックス取引を行う。

 

具体的には、先物価格が下がれば、現物株を売って先物を買って利ざやを稼ぐ。

 

逆に先物価格が上がれば、先物を売って、現物株を買って利ざやを稼ぐわけだ。

 

こういう働きがあるため、実際の株価も、先物価格に引き寄せられるように動くのだ。

 

一方、日経平均が下落トレンドの時、新興株に資金が流入し、新興市場が賑わうこともよくある。

 

投資資金が下落トレンドの東証一部から、新興市場に移る「新興市場シフト」だ。

 

しかし新興株シフトは、日経平均がジワジワ下がっているときに起こる。

 

上昇が止まった東証一部株に見切りをつけて、替わりに新興株を買うので、こういうことになる。

 

だから日経平均株価の暴落が続き、大暴落になっている状況では、新興市場にも資金が来なくなる。

 

市場参加者のほとんどが「売り手」に回るから、買い手不足で新興株まで下がってしまう。

 

さらに追証売りが出はじめると、関係がない新興株まで売りに出されて下がる。

 

これが新興市場によくある「日経平均に連れ安」というヤツで、関係がないのに巻き込まれるパターンだ。

 

こういう連れ安相場の時に、逆行高している銘柄があったら、とにかく打診買いしておくとチャンスかも。

 



田中化学研究所、リチウムイオン電池の材料開発で逆行高。

相場全体が暴落に見舞われているとき、逆行高する銘柄というのは目立つ。

 

というのも、ほとんどのトレーダーが、売りに回っている最中に、買われるのは「特別」だからだ。

 

多くの投資家が株価下落で、バタバタ倒れている状況で、株価が上がる逆行株というのは、何か特別な強い材料を持っていると言える。

 

強い材料があるからこそ、その株を売りに出す投資家が少なくて、下落相場にあっても、買う人がいるわけだ。

 

ではどういう材料があると、逆行高になるのか。

 

2015年8月下旬の大暴落時に、2日連続ストップ高をつけて騰がっていた、田中化学研究所(4080)を見てみよう。

 

ほとんど全ての株価が下がっている最中に、この株はなぜ上昇してストップ高をつけていたのか。

 

相場全体が暴落しているなか、逆行高で唯一、ストップ高だなんて、余程凄い好材料なんだろう…と思う。

 

ところが実は、田中化学研究所が、大暴落のさなかにストップ高となったのは、マイナーな専門誌に載った、リチウムイオン電池の正極材という材料だった。

 

この企業は赤字経営だったが、住友化学からエクイティ・ファイナンスを受け、従来品の1.7倍の性能を持つ正極材を開発していた。

 

そして住友化学と共に、リチウム電池の材料を、2年後の2017年から拡販するという内容だった。

 

たかだか電池の材料くらいで、なんで2連続ストップ高になったんだろうね?


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