新興株や2部株まで下がるのはなぜ?
更新日:
海外要因や環境の変化で、日経平均株価が大暴落。
こういうときに起こるのは、連鎖的な売りだ。
次から次へと売りが湧いて出て、ちょっとくらい買いが入っても、すぐに売り潰されて株価が下がる。
そして5%下がり、10%も下がると、さらに追証売り(おいしょう・うり)が出て、相場はもう投げ売り状態になる。
追証とは、信用売買している人が損益が大きくマイナスになった時に、求められる追加の保証金のことだ。
保証金が不足すると、取引している証券会社から、メールや電話がかかってきて、「明日の午後3時半までに入金しないと、証券会社の判断で建玉(たてぎょく:信用売買の株)を勝手に決済しますよ」と言われる。
オマケに手動決済の手数料として、1万円も徴収されてしまうから、踏んだり蹴ったりだ。
そこで追証を回避するために、下がってない株を売って、保証金の不足を穴埋めしたりする。
保証金代わりの代用証券があれば、それを売って現金化したりする。
つまり日経平均が大暴落すると、追証売りが大量に発生して、「下がってない株も売られる」わけで、ほとんど全ての銘柄が連れ安になる。
日経平均の採用銘柄でもないし、為替にもほとんど関係がない新興株や2部株まで大下落になるのは、こういう追証売りの連れ安ってことだろう。
中国の上海市場の大暴落と、中国の景気減退がキッカケで起こった、2015年8月末に起こった大暴落の時も、やはり同じように売りが売りを呼び、たった1週間で15%も株価が下がった。
600兆円の時価総額の15%だから、90兆円もの価値が吹っ飛んだ計算になる。
2015年8月の日経平均暴落・時系列データ
日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
8月17日 | 20,600.16 | 20,668.87 | 20,541 | 20,620.26 |
8月18日 | 20,640.59 | 20,663.18 | 20,545.25 | 20,554.47 |
8月19日 | 20,467.49 | 20,521.97 | 20,218.03 | 20,222.63 |
8月20日 | 20,194.26 | 20,246.47 | 20,033.29 | 20,033.52 |
8月21日 | 19,711.34 | 19,737.54 | 19,435.83 | 19,435.83 |
8月24日 | 19,075.05 | 19,154.65 | 18,498.80 | 18,540.68 |
8月25日 | 18,171.66 | 18,835.35 | 17,747.50 | 17,806.70 |
新興株の下落は、1日遅れる
日経平均が大暴落すると、売りが売りを呼ぶ展開になる。
売られて・売られて・売られて、株価が5%も10%も下がる。
銘柄によっては2割3割下がったりする。
こんなに下がってしまうと、どこまで下がるのか恐怖に駆られて、とにかく株を手放そうという動きが出る。
一方、プロトレーダーの場合は、カラ売りで儲ける大チャンスだから、下落トレンドがハッキリ見えたら、そこですかさず株をカラ売りする。
保有株があるなら、その保有株数より多少多くカラ売りすれば、手持ち株も売らずに済むし、株価下落の埋め合わせもできる。
そして株価が回復し始めたところで、カラ売りを買い埋めすれば、下落と回復で儲けることができるので、下落が始まるとプロのトレーダーは、とにかくカラ売りを入れる。
一方、個人の投資家は、急落に対応出来ず、追証売りで、下がってない株も売り始める。
海外の環境要因で日経平均株が売られる場合、新興株や2部株などは、あまり反応しないし、資金が集まり株価が上がったりする場合もある。
ところが日経平均が何日も続けて急落すると、新興株にも遅れてその影響が出始める。
個人の追証売りが新興株にも波及してきて、新興株まで大下落に巻き込まれるのだ。
新興株は、日経平均が上がっても騰がらないし、下がれば連れ安になることも多いので、踏んだり蹴ったりという状態になる。
日経平均が暴落しているのに、株価が下がらないので持っていると、2日後くらいにドーンと売られて下がったりする。
だからそんな中でも、逆行高している銘柄は、異常に強い材料がある銘柄って事になる。