仕手筋が株を集める
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閑散銘柄がある日突然、急騰してストップ高をつける。
こういうことは、デイトレをやっていると、毎週のようによく見かける光景だ。
なのでストップ高をつける前日に、こういう銘柄をつかむと儲かるはず。
そう思っていろいろ見るわけだが、なかなかそういう銘柄は見つからない。
たいていは「ダマシ上げ」といって、ほんの5分か10分ほど株価が急騰し、値上がり率ランキングに顔を出した後、ジワジワと売りが出てしぼんでしまう。
これを高値づかみしてしまうと、確実に損切りするコースになる。
ストップ高株投資法で厄介なのは、こういうダマしあげっぽいのに引っかかると、毎週のように5万とか10万の損切りする羽目になってしまうと言うことだ。
ただしこういうダマし上げっぽい株も、時には急騰して大きな相場になることもある。
これがいわゆる「需給相場」というやつで、簡単に言うと「仕手株(してかぶ)」ってやつだ。
仕手(して)というのは、投資グループのことで、彼らは株を買い集めたあとに株価をつり上げて、人気が出たら株を売って利益を出す。
そのため、まず株を買い集めるわけだが、注目が集まる前に少しずつ買い集めていく。
そのとき「ダマシ上げ」みたいな感じになって、日足チャートだと上ヒゲがいくつも出てくる。
7625Gダイニングの株価も、こんな感じで3月前から上ヒゲが出ていた。
短期間に上ヒゲが何本も出ている日足チャート
これを見ると、週に2~3回ずつ上ヒゲが出て、なんかちょっと怪しい動きだなと言う感じだね。
3ヶ月くらい前から、こういう感じでちょくちょく上ヒゲが出ていたが、第一四半期の決算が出てしばらく後、この銘柄は動きがハッキリしてきた。
大きな上ヒゲが出て、陽線が目立ち始める
カップ・ウイズ・ハンドル?
前週に長い上ヒゲをつけて、値上がり率ランキングに顔を出した7625Gダイニング。
このときはまだ、単なるダマシ上げ株で、後に急騰して需給相場化するとは、まだ全く分からない状態だった。
私もこの時点で一回、買いつけてみたが、買いが続かず、すぐにしぼんでしまったので、2日後、買いが入ったところで同値撤退した。
ところがその次の週の水曜日に、おかしな形の5分足チャートが出た。
その「おかしな形の5分足チャート」がこれだ。
おかしな形の5分足チャート(初日)
この5分足チャートは、ダマしあげでよく見るチャートだが、なんか様子が違っている。
というのも11時前に、大きなダマしあげの火柱が上がり、それがしぼんでいった午後2時前から、また買いが入って陽線が続いたのだ。
ダマしあげの場合、買いはドンドン減って、最後に売買自体なくなってしまうことが多い。
チャートの最初、寄りつきの時点では、殆ど売買がないわけだからそれに戻る。
ところがこの日だけは違っていて、株価は下がっても売買が続いていた。
「歩み値」を眺めていても、ちょくちょく大きな買いが入って来ていた。
「あれ、この株、やっぱなんかありそうだな」ということで、もう一度、買い戻してみた。
さっきの5分足チャートに注釈を書き込むと、こんな感じになるが、これはいつもと違う。
需給相場の動きだし5分足チャートの例(初日)
そして大引け直前の5分間には、値上がり率ランキングに顔を出してないのに、なぜか買いが殺到して大陽線発生。
引け売り予約がたくさんあったため、最後は下げて終了してしまったが、何かを予感させる終わり方だったね。