ストップ高投資法の欠点(1)ストップ高はがれ
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ストップ高銘柄を中心に売買するストップ高株投資法。
うまく行けば一週間くらいで株価が2倍なり、大きく儲けることができる方法だ。
しかし難点も色々あって、失敗するとダメージも多い。
まず最初の難関は、「初日のストップ高はがれ」だ。
ストップ高はがれというのは、ストップ高に貼り付いていた状態から、売りが増えて剥がれ落ちてしまうことだ。
ストップ高付近で買いつけてしまうと、ストップ高はがれで含み損ができてしまうし、急落すると、大きな損切りになってしまう。
低位株でも、1,000株買えば、30~50円下がると、3~5万円の損になるしね。
しかしストップ高まで買い上げられた株が、なぜ剥がれ落ちてしまうのか。
ストップ高に貼り付いている状態は、売りたい人より買いたい人が多い状態で、売りたい人が徐々に減っていくのが普通だ。
ホントに強い材料であれば、ストップ高に貼り付いた後に、数千個の売り注文が出ていても、大引け直前になると、数百個まで減る。
というのも「明日以降も騰がる」と思ってる人は、初日には売り注文を出さないからだ。
またストップ高に貼り付いた後、売り注文を出した人も、買い注文がどんどん増えていくと、「これは明日以降も騰がるな」と思って、大引け前には売り注文を引っ込める。
逆に、ストップ高に貼り付いていても、買いがどんどん増えて来ないような場合は、「意外に人気がないな」と思って、売り注文を出す人が増え始める。
その結果、好材料が出た初日なのに、ストップ高から剥がれてドーンと株価が下がるわけだ。
高値から急落する5分足チャートの例
後場にナイヤガラが起こりやすい理由
ストップ高に貼り付いた株価が、ストップ高から剥がれてしまうのは、売りたい人がたくさん出てくるからだ。
株価が徐々に上がってストップ高に到達する場合、デイトレーダーがたくさん買っている。
デイトレーダーというのは、値上がり率ランキングを見て、とりあえずその銘柄を打診買いする。
そして十分に株価が上がったら、売りに転じて利益を確定する。
なので寄ったところからストップ高になるまで、多少時間がかかってしまった場合、利益確定を狙っているデイトレーダー達が、売らないまま持ち続けているわけだ。
そしてストップ高に貼り付いたとしても、デイトレーダーは逆指し値注文を出す。
逆指し値注文というのは、「○○円より騰がったら、成り買い注文を出す」「○○円より下がったら、成り売り注文を出す」なんていう注文方法だが、ストップ高からはがれて数十円下がったら、成り売りするように注文を出しておく。
そうしてストップ高から剥がれた場合を想定して、保険をかけておくわけだ。
そのため、ストップ高から大きく剥がれると、逆指し値注文が次から次へと実行されて、玉突き衝突のように成り売りが続いて、「ナイヤガラ」と呼ばれる大陰線ができる。
そうなると、ストップ高付近で買った場合、いきなり初日に数十円分の含み損ができてしまう。
さらに早い時間帯にナイヤガラが起こると、翌日はさほど騰がらず、損切りになることが多い。
そのため、ストップ高投資法では、ここで数万円くらいロスカットすることになってしまう。
これが何回か続くと、数十万の損失になる。
つまり2倍以上になる銘柄を掴むまでに、ハズレで数十万損する場合もあるわけだね。