ピークを過ぎた株は、急激に下がる
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ストップ高株を買いつけることは、そんなに難しいことではない。
というのも値上がり率ランキングで、上位に並んでいる株を買えば、かなりの確率でストップ高になるから。
しかし問題は、つかんだストップ高株を、どのタイミングで利益確定するかだ。
何か革新的な新しい材料が出て、それでグングン株価が連騰したとしても、どこかで必ずピークを迎えて、急に株価は大きく下がり始める。
特に上昇が急勾配であればあるほど、株価はもの凄いスピードで下がるので、ボヤボヤしているとせっかくの利益が泡と消える。
特にストップ高を何度も記録して上がった株は、ピークを過ぎた途端にストップ安まで下がり、最低でも3日くらいは10%を越える大幅下落が続く事が多い。
右上の日足チャートは、5216倉元製作所のチャートだが、この日までストップ高を何度も挟んで7連騰していた。
株価も350円くらいから急上昇し始め、7連騰最後の日には、場中に寄らずストップ高に張り付き、株価も1,000円を超えた。
そうして値幅制限が150円から300円に拡大した翌日が、株価上昇のピークになった。
7連騰翌日の5分足チャート
※1,000円の株が、上下550円も動いた!
悪材料がないのに、たった一日半で半値?
5216倉元製作所は、防災用のマグネシウム電池の開発で急に人気が集まりだした銘柄だ。
当初このニュースが伝わったとき、株価はまだ200円前後の水準だった。
ところが実はそのほかにも開発商品があり、独自商品をいろいろ持つ企業だと言うことが、徐々に投資家に知られ始めた。
たとえば窓ガラスに貼って発電できる有機薄膜太陽光発電技術。
これは窓ガラスに貼り付けるだけで使える太陽光発電用シートで、JR福島駅の省電力化に採用された。
JR福島駅は、災害時にも電力が使えるように、駅構内で使われる電力の4分の1を、太陽光などの再生可能エネルギーで賄えるように、省電力化といくつかの発電装置を取り入れたのだが、そのうちの一つが倉元製作所の開発商品だった。
そこで200円だった株が350円になり、400円前後でもみあっていた後に7連騰して、とうとう株価が1,000円を超えた。
しかし1,000円を超えたところがこの銘柄のピークだったようで、翌日は1,300円まで騰がったところから急に売りが増え始め、一時になった途端、大量の売りが出て、大下落が始まった。
そして1時間後の2時すぎには、1,300円だった株価が、なんと800円を割り込んで、500円モノ大幅下落。
ピークを過ぎた瞬間に大暴落
前日は、ザラ場中に一度も寄らずのストップ高だったのに、値幅制限が150円から300円に拡がった初日がこれで、あれよあれよという間に株価がさがって、私も呆然として利益確定を逃してしまった。
翌日もストップ安付近まで売られ、大引けは650円で引け。
前日の前引け時には1,300円を越えていた株価が、翌日の大引けには650円だから、たった一日半で、なんと半額になった計算だ。
3日目は買いの勢いが少し復活したが、それでもやはり9%の大幅下落で580円。
値幅制限が2倍になったせいで、一気に259円も下がったという不運もあったが、特に何か悪いニュースが出たわけでもないのに、1,000円の株が580円まで下がったわけだから、ピークを越えたあとの下落はもう、投げ売りに近いね。
それがわかっているからこそ、デイトレ熟練者は、下がり始めたらさっさと投げるように売るし、関心があっても3日後まで買いを入れないんだろう。