逆行高銘柄、その後
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日経平均株価が暴落して、2万円台から1万7,700円台まで3,000円弱も下がった2015年8月末。
リチウムイオン電池の正極材を材料にして逆行高した田中化学研究所(4080)。
2日連続ストップ高をつけた翌日、日経平均が1万8,000円割れし、高値から一週間で15%近く下げた日に、一旦売られて調整する場面があった。
しかしその翌日からまた2日連続ストップ高で、株価は500円台から1,000円台の大台を突破。
つまり日経225の動きに関係なく、約1週間ほど上昇が続いたのだ。
そして急騰低位株の鬼門である、値幅制限2倍の世界に突入した。
逆行高銘柄の日足チャート例(田中化学研究所2015/8)
低位株が強い材料で急騰したとき、どこまで騰がるかは大きな問題で、それで利益確定タイミングが決まる。
たいていの場合、動き始めたところから、株価が5割上がったら売られ始め、2倍になったところで売られる事が多い。
90円くらいの株だと140円を超えると売られるし、200円未満の株だと270円くらいがピークになる。
強い材料だと2倍を突破することもあるが、節目価格を超えたところで売られることも多い。
この節目価格というのが、200円、500円、700円、1,000円、1,300円で、節目価格を超えた途端、急に売り注文が増え、売買注文累計のバランスが変わることが多い。
田中化学研究所の場合も、5連騰して株価が2倍を超え、4桁の大台に乗ったが、この逆行高銘柄は果たしてどうなる?
225の影響を受け始める?
急騰銘柄の株価が、節目価格を超えると、急に売買バランスが変わることがある。
節目価格とは、具体的には200円、500円、700円、1,000円、1,300円で、1日の値幅制限が拡大する価格だ。
たとえば前日終値が200円を越えると、値幅制限は50円から80円に拡がる。
500円を越えると80円→100円。
700円を超えると100円→150円。
1,000円を越えると150円→300円と言う風に拡がる。
値幅制限が拡がると、それまでストップ高で連騰だったものが、ザラ場中で揉み合い始める。
前日まではストップ高になっていた値幅でも、ストップにならないため、売買が成立してしまう。
売買が成立してしまうと、買いたい人が買ってしまうため、徐々に買いたい人の数が減ってくる。
一方、売りたい人の数は増えていくため、買い方優勢だった売買バランスが、徐々に売り方優勢に傾いていく。
こうして株価の上昇がピークを迎え、そこからドーンと株価が下がるわけだ。
そして一旦大きく下がると、それ以上の価格で買った人は、高値づかみで含み損になるため、株価の急騰が止まってしまう。
株価がまた上がり始めても、上がったところで戻り売りが出て、それまでのように急騰しにくくなるのだ。
日経平均が大暴落しているさなか、逆行高していた田中化学研究所も、1,300円を何度も超えるのだが、そこから売りが出て1,000円を割る状態になった。
また日経平均が陰線だと陰線、陽線だと陽線になるという風に、日経平均に連動するような動きを見せ始めた。
日経平均の動きに引きずられ始める
田中化学研究所はジャスダック銘柄だったので、東証一部とは関係ないはずなのだが、相場全体の動きに影響を受ける、普通の銘柄に戻ってしまったらしい。
この辺りが潮時かな?