こじつけテーマ株

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取引が殆どない閑散銘柄が、特に強い材料もないのに、ある日突然ストップ高になる。

 

こんなことは毎週のように起こっている。

 

たとえば水素エネルギーに大きな将来性があると話題になれば、水素を取り出す特許を持つ企業から、バルブを作っている企業の株まで騰がる。

 

インバウンド(訪日外国人関連)なら、外国人がよく買う商品のメーカーや、外国人がよく訪れる和食チェーン、免税店を展開する企業の株が騰がる。

 

こうした流行のテーマに引っかかる株は、今まで殆ど関心を持たれなかった株で、ずっと低迷していた銘柄だ。

 

閑散銘柄で売り板もスカスカなので、注目されて買いが入りだすと、すぐにストップ高になる。

 

これらは言わば「こじつけテーマ株」で、大相場になることは滅多にない。

 

ストップ高の翌日は、たいてい寄り天になって、そこからダラダラ下がって、しぼんでしまう事が殆どだ。

 

ブームは長く保って3日。

 

早ければ1日で終わってしまう。

 

なのでGダイニングが吹き上がって、そのままストップ高に貼り付くこと自体は、そんなに不思議なことではなかった。

 

「ストップ高株狙い」のトレーダー達にとって材料が何であろうと「初動は買うべし」だから。

 

ところがこの日の様子は、いつものストップ高銘柄とちょっと違った。

 

というのもカラ売り専門のトレーダー達や、デイトレ専門のトレーダー達が売れども売れども株価が下がらないのだ。

 

実際、何度も何度もストップ高から剥がれたが、買いが入ってまたストップ高に張り付いた。

 

強い材料なら、剥がれることはないし、弱い材料なら、剥がれたらそこからダラダラ下がるのに。

 

そしてこういう急騰銘柄によくある、大引け前の恐怖のナイアガラも、起こるには起こったのだが、あっと言う間に買いが吸収して、ストップ高のまま高値引けになった。

 

需給相場株の5分足チャート・ストップ高初日(2日目/木曜日)
材料もハッキリしないのに、なんか買いが強すぎて、おかしい…


貸株注意喚起、逆日歩発生、そして売り禁

閑散銘柄だったGダイニングに、買いが入り始めた翌日は、寄りつきから買いが入り続けて、ストップ高で揉み合って高値引け。

 

終わってみれば、カラ売りが積み上がり、カラ売り残は20万株から、100万株に急拡大していた。

 

貸借倍率も1を大きく割り込み、カラ売り葉の株を貸し出す日証金からは「貸株注意喚起」が出た。

 

この株は、数年前にもこういう事があって、そのときは後場に売り禁が出たらしいが、今回は引け後に貸株注意喚起と、逆日歩5銭(0.05円)が出た。

 

貸株注意喚起というのは、用意してあった貸株がなくなってきて、「まもなくカラ売りする株がなくなります」と言うお知らせだ。

 

そして迎えた3日目は、寄りつきから大幅ギャップアップで、15分後にはストップ高まで上昇。

 

いったん大きな売りが出て剥がれたが、その後は一度も剥がれることなく大引けを迎えた。

 

この日の問題は、カラ売りが増えたのか減ったのか。

 

逆日歩を嫌ってカラ売りの買い戻し、すなわち「踏み上げ相場」になって騰がったのかどうか。

 

3日目の5分足チャートはこうだ。

 

需給相場株・2日連続ストップ高(3日目/金曜日)
因みに昼休みに日証金から「新規貸株申し込み停止」すなわち「売り禁」が発表された。

 

夜発表の日証金速報では、貸株は52万株増えて、売り残は約168万株になった。

 

つまりカラ売りは減るどころか増えたらしい。

 

そして逆日歩も5銭から1円に値上げされた。

 

増えたカラ売りは、売り禁を見越してストップ高の値段で売っているはずだから、何らかの勝算があるんだろう。

 

寄り付き前にストップ高で売り建てて、寄りつき後に成り行きで買い建てて、売り買いを両建てすれば逆日歩も怖くないし。

 

さて売り禁後の株価の値動きというのは、場合によっていろいろなので、4日目(月曜日)にどうなるか注目される。

 


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